2018年4月30日月曜日

月賦

ソファーカバーを洗濯した。
めったに洗うことはないが、久しぶりに洗濯すると、おもいのほかほつれている。洋裁をしているのでつくづく思う。
デンマーク製のソファーなのでデザインや色目はとても気に入っているが、ファスナーを開けてカバーを取り外すと裏の縫い目や切れ端がかがり処理されておらず、汚い。
デンマーク製のソファーと聞いて、高価だとイメージするのは案外安直な考えなのだ。
見えないからと、裏地や布の端をきちんと処理できていない、品質である。買ったときは自分にとって安くないいい値段だと思っていたが、つくりの甘さが目に付く。
服やミシンなどのものづくり全般に言えることなのではないかと最近つくづく思う。
服など、製造工程を見直し、いかに少ない生地、薄い生地で少ない糸量で製品を完成させるか、丈夫さを保てるかなどよい意味で極限を追求している。悪く言えば一見よい製品に見えるが洗うとだんだん劣化し、なんとなくだが数回でよれよれになったりする。
ミシンにも言えるが、最新機種はボディを覆うプラスチック樹脂は貧弱で内部プラットフォームにこそ金属が使われているが、部品は一つ一つ徹底して軽量化と機能性などを追求した結果、個人的印象としては残念な製品が多くあり、世間の人たちはこのようなお粗末な工業製品をよしとしているのか。
一方で、品質にこだわり、まねのできない高度な機能や技術を駆使して作られたものが評価されるが到底平民かそれ以下の私などに日常的なお買い求めなどできないものを指をくわえてみているのが現状だ。しかし、よくよく考えると、昔はミシンを買うのに月賦で買ったり積立金方式のシステムがあったと聞く。つまり高級品であって平民にはおいそれと買えるものではなかったのだ。改めて巷に見かけるミシンなど、普及モデルはちょっとがんばれば庶民でも月賦(ローン)などせず買えるのではないか。懐具合にあう、選択肢が豊富にある社会になったのだろう。

2018年4月29日日曜日

琴線

最近の出番。
ミシンは常にいつも万全の状態でスタンバイしており、油切れで動作音が高いなど一切ない。だからいつでも必要なとき押入れにしまってあるミシンを取り出し、食卓かちゃぶ台で作業する。経年の日焼けや擦り傷などは本体のあちこちにあるが、万全な注油を怠っていないので針棒周辺も油膜がかかり、メンテナンスされた機械をみては一人にんまりしている。
そんなミシンで最近はリビングルームのカーテンの丈を直したのと、ミニコンポの埃よけにカバーを作った。カバーといってもランチョンマットの二周り大きいくらいか。後は、ニットパンツの丈つめをした。ニットパンツは伸縮素材で端かがりが厄介だった。そう、ジーンズも作った。12オンス生地でオリジナルデザイン、自分サイズだ。スエットパンツにも挑戦した。図書館で借りた本に掲載されていた。この借りた本ではあるが、洋裁教室に通えない男のための優しい教科書なのだ。失敗を重ね、間違えては解き、解いては縫い直しの繰り返しでひたすら実践だ。いかに一発できれいに仕上がるかが腕の鳴るところだ。失敗してもいい。誰からも文句言われることはない。ステッチが少々ゆがんでいてもそれはそれでよい。ジーンズなどは1920年代あたりのビンテージレプリカ仕様と思えば愛着もわく。世間ではいつの間にか、既製服はつまらない品物ばかりしか見当たらない。赤の他人さんに服を買ってもらうことの難しさ、より高度な完成品を求められた結果なのだとわかっていてもなぜか。上手な歌に聞きほれはするが、上手を通り越して心に響く歌は琴線を震わすような、たとえるとそんな感じかなぁ。

2018年4月28日土曜日

新しいミシン

コンパルデラックスには不満はないが、さすがに最新の機能を備えたミシンがほしくなってきた。
文字模様の機能があるミシンにも興味がある。
直線番長の職業用もほしい。
家庭用ミシンの最新機種でJUKIのHZLーEX7かジャノメMC6700Pに照準を絞ってきた。
JUKI社は、すでに家庭用ミシンで一台保有しているがコンパルデラックスと同年代の代物で、よいミシンであるがこの場で詳細を発表することはやめておく。
EX-7は定価318000円税別とあり、価格帯としては申し分ない。価格に見合う機能があるのかどうか、触ってみないとわからない。ほしいものすべてを手に入れたいが、保管場所にも限りがある。
ジャノメ社のMC6700Pは、海外モデルのようで国内販売はされていない。現行機種はCK1200だ。HPを拝見する限り、定価の記載がないがほかの取り扱いされているお店のページを拝見するとどうやら243000円税別らしいことがわかる。EX7よりも発売が数年早いためこの価格差もあるだろう。いくつかの店舗で問い合わせてみたが、どちらの機種も値崩れしているようだ。相当の価格差を実感した。いったいどういうことだ ?まあ、価格よりも機能だ。自分にとってよりよい機能が備わっているモデルを探そう。
改めてコンパルデラックス、コンパルエースⅡのよいところを確認したい。
直線の縫い味は個人的にきれいだと思う。
ジグザグの動作もまずまず。
ジーンズの折り重なった裾の段差などは正直工夫が必要だ。重なった部分で針が自動停止し、復旧するのが手間だ。
薄地も押さえ圧を弱くして細い針・糸を使えば縫える。
ニット地などの伸縮素材を扱うとき、押さえ圧や縫い目の長さ、糸調子を変えてもしんどい。コタツやちゃぶ台でも仕事ができる。
古いミシンをおさらばして、新しいミシン生活を夢見ているのだが。

2018年4月27日金曜日

手縫いと時間と既製服

早く縫うことができるのがミシンというものだと思うが、ミシンが発明されるまでは手縫いだったのだろうから、改めて手縫い仕事はすごいのだと感じる。

ご存知、ユニクロなどは工業用ミシンで大量に服を作って売っている会社であり、商品も売れまくっているのだろう。一方、自分で服を作ると、家庭用ミシン(ではあるが)を使ってしてもこんなにも時間がかかるのかとつくづく感じる。「忙しい現代社会」のため、自ら服を作るなど、暇もないのが普通のところ。服なんて、買えばいいじゃんといわれたらそれまでで。
かつて服を自分で作ることが普通の時代があったようだ。手縫いやミシンを使って日常の服を作っていたのだろうか。既製服自体が高価だったのかもしれない。
本屋で服作りの本を立ち読みしたところ、婦人服を手縫いで作ることを掲載した雑誌だった。50から60歳代位のご婦人をモデルにした雑誌だった。手縫い趣味の方も少なからずいらっしゃるのだと思う。そのような人からすると服を手縫いで作るのは相当面白いことなのかもしれない。
さすがに自分で服を作ると既製服の仕上がりには及ばない。しかし、自分で作った服は既製服ではなく、工業製品でもない。

2018年4月26日木曜日

自動糸きり

コンパルデラックスには自動糸きり機能はない。
自動糸きりとは糸きりを自動でしてくれる機能だが、「自動」とは、本体についているボタンやレバーを操作する必要がある。この操作するのは自分だ。操作まではやってくれない。また、自動だからと喜んでばかりではない。縫い終わりに自動糸きりボタン(レバー)を操作し新たに生地を縫い始め、縫い終わって糸きり後、裏を見ると時に鳥の巣状態といわれる現象に見舞われることがある。生地や糸、針なども要因にあると思うが対処するためには糸を出してから縫い始め、あとの糸を自分で始末する必要がある。便利な機能があればその便利さを実感できるのだろうが、時と場合により余計な手間がかかるのかもしれない。その手間がうれしいと感じることができるようになれば更なる高みに近づくのかもしれない。

2018年4月25日水曜日

厚地・・・定義は?  ミシンスペックの限界

生地の重なった部分が縫いづらく、針が刺さらなかったり、刺さったまま途中で停止したり。

ミシンのせいにしてしまいがちだが、厚地の場合は何ミリまでを縫うことができるのか、などと考えても仕方がない。厚みだけでは比較にならない。生地はいろんな種類があってふわっとしているもの、厚みだけではなくて糊の利いたものや目地の詰まったものまで、同じものはないといっていい。

縫っているとおのずとこの生地の重なりは厚みがある状態かなぁ、このミシンでは無理と勘でわかるようになってくる。でも、工夫次第でそれまで縫えないと思っていた厚みや生地を縫うことができるとわかったときはうれしいもの。

そもそも慣れとは既成概念に近いのかも知れない。いかに工夫するかも醍醐味だ。

ミシンのせいにしている間はミシンの奴隷だ。よりよいパフォーマンスをたたき出すかは自分次第だ。

2018年4月24日火曜日

お買い上げ頂きまことにありがとうございます。

取扱説明書には製品を選んで購入したお客様に対して、まず感謝の言葉を掲げていることが多いと思います。

ミシンの説明書も同様、表紙や一ページ目などに書かれています。
自社製品を購入してくれた客に対する謝意が第一にある。

メーカーが作り手としてのポリシーを持っていることの現われだと思います。

中には~末永くおつかいいただきますように~などと書いている場合もあります。
しかし残念ながら、交換部品の保有期間が製造打ち切り後8年位をめどになくなることがあり、ミシンの場合、交換部品があればよみがえって使い続けることができるのに部品製造が打ち切られ、修理できない。メーカーや機種によってもまちまちのようで、数十年経過したモデルでも補給部品が供給されているものもあるようです。
ほかの家電製品でもいえることですが、ミシンは案外壊れない印象があります。
買い替え需要で商品が売れることもあるでしょうし、壊れないから使い続け、ミシンが売れないのかもしれません。私のようにオークションで安く手に入れ、まして壊れないので新しいミシンを購入する必要性が生じない。メーカーにとっては邪魔者だと自覚しています。こっそりとマーケットの端っこのほうでミシン生活を楽しませていただいております。

2018年4月22日日曜日

整備

以前所有していたコンパルデラックスの整備のことを書いてみます。

オークションで1800円位で落札し、到着して開封したらほこりや汚れがひどく、清掃して運転したところおんぼろミシンではあるが、何とか動いた。取説や押さえ金も一通りそろっていたのでまず直線縫いからテスト・・・どうも全体的に動きがぎこちない。さらに注油したり、うわぶたを開けてみたりして手の届くところの汚れや注油したところ動きは少しましになった。
インターネットでいろんな情報を見て、注油箇所や天秤クランクのこと、糸調子のためのバネや糸取りバネなどミシンの構造についていろいろわかってきた。このミシンは電子ミシンでスピード調整や縫い目模様選択などに電子制御されている。最近家庭用ミシンの主流の「コンピューターミシン」とは若干違うよう。
コンピューターミシンと聞いて、とても分解や整備は難しいだろうから、さしあたりこの電子ミシンからはじめてみようと思った。数日後、油が機械になじんできたのか、全体の動作がスムーズになった。
原因をあれこれ考えてみると、おおむね以下の要因があるのではないかと思う。
①オークションで1800円の落札、中古品である。
②当初、とても汚れていて、釜の中、周辺に糸が絡まっていた。
③糸がかけられていたが、明らかに変色し、古い糸であり、かけられたまま相当年数の保管だったことが伺えた。
④しばらくの間使われていなかったため、機械にまとった油が酸化固着していた。
⑤通電していて、ボタン操作などには不具合がなく基盤故障がないと思われた。
要するに、長く使われていなかったことが動かなくしていた。
後は、微調整で心地よく縫い物ができるようになった。



グッドデザイン賞   ZZ3-B755

BROTHER COMPAL DELUXE  ブラザーコンパルデラッ

1981年にグッドデザイン賞を受賞していました。

オレンジ色ボディ、ブルーもありましたが、色目はとても人気を左右するのでしょう。

コンパルエースⅡのライトグリーン色のモデルはオレンジ色のコンパルデラックスよりあまりぱっとしないのか、オークションサイトなどでもあまり見かけません。

オレンジやブルーのミシンはヒット商品だったのか今でもヤフオクで一定数の取引がされているようですね。

以前、そのヤフオクで1800円くらいで落札して、送料も落札金額と同じくらいの1800円くらいだったから、3600円で入手したのだけれど汚れているし動くかどうかの保証もない、いわゆるリサイクルショップ系のガラクタ扱いのようなものでした。

GOOD DESINE AWARD
https://www.g-mark.org/award/describe/7454?token=oYmetNlJ1N

汚れをきれいにして電源入れてみると動きました。しかも完全に故障なし。

ブラザーの中級機の位置づけでしょうか、当時としては、大変人気者でして実力もあります。
コイツでたくさん縫い物しましたし、厚物も結構がんばってくれました。



ヤフオクでの中古ミシンの入手は素人にはお勧めできません。
私は、半ば遊びで機械いじりをしながら壊れても良いと覚悟を持っていますし、故障していても人のせいにしたりしません。

ミシン専門家ではないので検査データや科学的根拠はありませんが、調整したりできるので縫えるまでに回復させる程度の技量があるからやってます。

出来ない人は専門家の助言が得られる専門店に相談したり、それなりの金額のものを購入してみるのがいいでしょう。

このお話は、中古ミシンの半ば壊れているような怪しいヤフオクミシンを落札してメンテナンスすることに主眼を置いてます。メカに興味ある方に、こんな遊びしてます、的なニュアンスで書いてます。






2018年4月21日土曜日

コンパルエースⅡ

コンパルデラックスは1980年~81年ごろのミシンで、当時の定価も15万か16万ほどだと思います。もちろん実売価格はもっと安かったと思いますが、人気があったのか、マイナーチェンジしていろんなタイプがあるようで、最近、後期型のコンパルエースⅡを買いました。



基本的なプラットフォームはデラックスと同じです。速度無段階スライド式なのと、サイドカッターがついているのが変更点かと。縫い味はデラックスと同等だと思います。コンパルシリーズはフットコントローラーはないので速度調整は手動です。ちゃぶ台での取り扱いが可能で床に座って作業できます。
 
主な特徴といえば、現在水平釜が主流の家庭用ミシンですが、垂直全回転釜で、金属ボディ、押さえ圧3段階調整、直線を選択すると針板の針穴が直線専用に切り替わるのです。現在、自動?で切り替わる家庭用ミシン(中級機)では採用されているモデルは知りません。JUKIの最新型高級機、HZL-EX7は手動の切り替えレバーで可能です。