2018年10月27日土曜日

シンガーミシン 188U   ミシンの哲学

読んでいる人がいればどうでもいいことを書いているのは自覚している。迷惑にならないよう忠告する、興味ない人は時間の無駄だから他のサイトをみてくれ。

ミシンに哲学という組み合わせはめんどくさそうだと、めんどくさがりさんは近寄ってこないだろうとタイトルで哲学とつけた。

最近の自分の生活行動がわからなかったが、冷静に俯瞰するとミシンを通じて自分を見ているのだと感じた。

さらに中古ミシンを買収した。



SINGER188U。シルバーモデルだ。

シンガーのHPによると、このモデルは1956年からの製造販売だ。
シンガーミシンはシリアルナンバーと照らし合わせると製造工場など世界各国で作られていたのだとわかる。

まず、ミシン油の酸化した固着、モーター動作確認ができない、釜汚れなどいろいろあった。

クランク周辺、二股油切れ、下軸の汚れとギアグリス、釜分解・清掃、この辺の汚れを落とし、再びオイルを差し、グリスを塗布したらきちんと動いた。

下軸ギアのグリスと加減は適当にしたが、気持ちよく動いていたのでよしとする。

汚れたパーツの清掃のとき、どうしても取れない汚れは紙やすりでこすったりして、メッキまで落とさなければ錆が取れないところもあり、どこまで錆を落としていいのか手加減に迷った。

パーツを再メッキするのも方法だが自分でメッキすると仕上がりはむらが出るらしいし、後始末もたいそうなので次回の課題とする。

釜、糸調子器組も取り外してみた。細かいパーツや分解組み立てに注意が必要なところもあるがやってやれないことはないと感じた。

これで足踏みミシンジャノメ761、シンガー188U おおむね足踏み職業用ミシンの世界観を知ることができた。

ジャノメ761と違う点で感じたところは、返し縫レバーにスプリングがついていることでレバーを離すと下ろしたレバーが上がり、前進する。

一方、ジャノメの返し縫レバーは下げて手を離してもスプリングがついていないので勝手に戻らない。再び前進させるためにはレバーを手動で戻す必要がある。俺としてはこの違いを知ることも感慨があった。おおぉぉぉ・・・てな感じ。

たかだか返し縫レバーだが、製造された当時の開発担当の考え方があったのだろうか。スプリングをつけるかつけないか。

どこかの記事で足踏み回転を逆回転させ返し縫するマエストロもいるらしいが、おそらく現役では存在しないのではないだろうか。何度かやってみたが逆回転すると糸切れする。やり方があるのかもしれないが、返し縫レバーを使う。

シンガーのボディーデザインは正面から見て上軸のプーリーから天秤にかけてやや左上がりになっている。この緩やかな傾斜はなんだろうか。シンガーモデルの歴史を知ることでヒントがあるのではないかと思うが。

ジャノメ761は上軸の外観はベッド部分とほぼ平行になっている。ジャノメデザインもなかなかいい。日本の正統モダン、雅だ。

いずれも古い酸化した油が固着した使えないミシンを再生すると再び当時の機能を発揮し、動き出すこと、そして今のミシンとは違う、持ち味があると感じる。

今までに最新ミシンを何台か触らせてもらったが、なぜかうまくいえないが、最新ミシンを受け入れることに抵抗感があった。

足踏みミシンのいいところの一つに、およそ60年経過しているが、素人の俺が少し整備したら動く整備性のよさ、耐久性がある。

今のミシンは60年後、素人がいじって整備したら動くだろうか。

問題は作業スペースが大きく取れないなど足踏みミシンを使うためにはどうしても場所を取ること、生活空間が狭められてしまうという問題があり、たいていはポータブル化された今の職業用や家庭用ミシンが普及した。

そして毎日ミシン作業するわけではないという現代社会のアパレル飽和時代だからまさか自宅の部屋に足踏みミシンが場所を占拠する生活スタイルがある人は少数派だろう。

でも、改めて思うがおっさんはクラッシックカーを整備する場所やガレージはないが、ミシンならできる。かかる経費もたぶんクラッシックカーの何十分の一で済む話だ。

縫うのが仕事、縫うのが趣味で分かれ、趣味の人はさらに縫えればいいと言う人、ほどほどで満足できる人、より高機能がいいと言う人とあり、加えてこのミシンで縫いたい、というカテゴリーになるのか。

「このミシン」には、家庭用、職業用、足踏み家庭用、足踏み職業用、工業用、ロックミシン、特殊ミシンと細分化されていく。

俺の立ち位置。

①洋裁趣味。
②このミシンをうまく使いたい。
③ミシンは足踏み職業用ミシン。
④洋裁よりもミシン整備がしたい。

洋裁のためにミシンを使うと、必然的に注油や調整、整備が必要になる。だから洋裁をしているという感じだ。

どうでもいい記事を読んでくれてありがとう。

おわり。






2018年10月19日金曜日

TA-761 足踏みミシンの整備

かねてからの宿題だった釜の分解清掃を試みた。

稀に目とびすることもあり、出会い調整も必要だと感じていた。

もう一つ、下軸のベベルギア分解、傘車のグリスUPのため下軸周辺部分オーバーホールもした。


釜は、下軸に3本ネジで止まっている。ねじを緩め、釜を取り出して精密なネジが7本で釜の部品は止められており、3本目までは何とか緩んだ。ネジザウルスリキッドを使う。ねじに浸透し、錆が浮いてくる。透明の原液が紫色に変色する。


4本目、5本目、6本目と相当の負荷をかけ、あきらめかけたころに緩み、根気強くドライバーを押し回し、最後の7本目すべて緩んだ。分解してみると構造がわかり釜の回転する仕組みがある程度理解できた。


とりあえず、ネジ部以外は錆びてはいなかった。しかし、動くが滑らかではない。やはり、油や埃の汚れカスがあり、400番、1000番のペーパーやすりで汚れを落とし、ピカール、重曹なんかできれいにして再び組み立てた。

下軸、ベベルギアのグリスはあけてみてびっくり、グリスがキャラメル状だ。一部、ギアの金属粉が混ざり黒色になってとてもじゃないが分解して正解だった。あまりに汚く汚れた状態を写真に収めるのはやめ、ひたすらグリスを掻き出し、ギアカバーの内部もきれいに汚れたグリスをぬぐった。傘車の刃こぼれもなく、状態はまずまずと言ったところだった。そして下軸も抜き取り、シャフトの中間に汚れていた酸化した油もきれいにした。グリスを塗布し、ネジ一本ずつきちんとパーツクリーナーやクレ556で洗い、ミシン油をつけて再び組み直した。

釜は、針と剣先の間隔が広かったので狭めてセッティングした。タイミング調整はやってみてわかったが、できなかったら直せなくなるかも、などど心配したが嘘のように簡単だった。

今までいろんな文献やyoutubeとかネットの情報を探り続けていたので何のことはなかった。ただ、固いねじが万が一緩まなければ、そのまま組みなおして使うか、新品の釜交換となるからネジ対策も必要だった。

ネジザウルスリキッドで簡単に・・・とはいかなかったが、使えば緩むネジがあることがわかり、今後も活用できるだろうと思う。

今回、分解して再組み立ての工程で緩めたねじをすべてクリーニングして再度ミシン油をさしたので今後、固着は回避できる。

下軸周辺の油の酸化もきれいになって、下回りは普段目にすることは少ないけれどきれいに仕上がると気持ちがいい。そして、最終テストできちんと縫えたのと、下軸周辺の油グリスが新装され幾分か摩擦が軽減されさらに軽く回るようになったのには目を見張るものがあった。

革ベルトをかけず手回しで空転させると軽々と針は7回ほど上下した。それまでは5~6回だったので今回の整備の成果が出たといえる。

下軸周辺は底を見れば構造もわかるが、上軸の内部はどのように連結して動いているのか、分解してみたいが今のところ今後の課題だ。特別な工具が必要かどうかもわからない。プーリーを取ってみたがそれ以上、上軸部分に手を入れるのは後戻りできなければ困るのでやめておいた。

天秤クランク周辺なんか、複雑な連携の動きが見えるが、アジャストすることも経験値が必要で今の俺には更なる精進が必要に思われる。



しばらく調査探求の日々が続く。






ミシンの寿命

今、俺のミシンで製造年の古いミシンは昭和36年生だ。

今年は平成30年、西暦2018年。つまり今年で57歳となるのか。アラ環だ。

おそらくこのおっさんミシン(ジャノメTA-761)は優に60年はいき続けるだろうし、たぶん俺よりも寿命が長いのではないかと確信めいたものを感じずにはいられないこのごろだ。俺のほうがはるかに後輩なんだが。

もちろん、機械なので動かしてナンボで、いつか使わなくなってミシンに纏ったオイルが酸化し、タール状から可動部分までキャラメル状に変化したら正真正銘の固着であり、そうなったときは無知な人が見たらただのごみにしか見えないだろう。もしそうなったとき、つまり、俺が病に倒れるか、ボケ出してミシンどころではなくなるとか。

オーバーホールが楽しみだというよほどの変わり者か修復専門家の手にゆだねられなければならないし、彼らの腕次第では・・・考えたくはないが別次元の新たな問題に直面するのかもしれない。

図書館の書庫に収蔵されていた、借りて読んだジャノメ社史によると、大正時代にシンガーミシンの販売戦略で下取りしたイギリス、ドイツやイタリア、スイスなどのミシンはことごとく焼いて再生できないようにしたらしい。

つまり、自前シンガーミシンをはびこらせるために競合を根絶やしにしたのだ。明治末期や大正期に諸外国のミシンが国内を流通していたのにも驚いたが。そんな今あれば貴重な資料になったろう、大量のミシンが木っ端微塵に砕かれたわけだ。

また、大阪、東京などへの空襲で家庭で使われていたミシンが数十万台焼けたといわれているそうな。あぁぁぁぁぁぁ、もったいない。

いずれにしても人為的災害であり、本来ミシンのもつ役割としての天寿ではなかっただろう。ミシンにすればなんと、無念だったろう。

今、近々戦争が起こるという緊迫した世情は感じないし、一部の有力メーカーが独占台頭するなどと考えにくい。どこも50歩百歩だ。未曾有の自然災害でこの国が滅ぶとは、まさかそこまではないだろう。(と思いたい)

ミシンは、本当のところミシンとして生まれてきたからにはその役割と使命があるはずで、できるだけ大切に使われて人々の幸福に寄与することが本望のはずだ。そう簡単に捨てられたりされるべきものではないはずだ。

アパレルメーカーにとってミシンは製品を生み出す道具であって、消耗品、償却品ととらえられているのかもしれないが、工業用だって家庭用だってミシンであるからにはその基本は同じだ。よく知らないが、工業用ミシンは家庭用ミシンとは違う、消耗度合いではなかろうか。もちろん家庭用も消耗するが。

俺のミシンは少なくとも60年(あと3年)は無事故だろう。深刻な病気・故障とも無縁だ。おそらく今の保守クオリティを保てばあと数十年は余裕だ。その証に今のシンガーミシンで100年前のものが現存しているのがあると聞く。youtubeでも普通に映像を見ることができる。

鉄は錆びるが鋳物合金は錆びない。正確には、鋳物合金も錆びるが金属内部まで浸透しないで表面だけが酸化する。実感としてはその錆もさほど広がらない。ここら辺に長命なひとつの要因がある。錆びた足踏みミシンは目にするが、さびを纏うと修復もそれだけ手がかかる。これまた先にあげたyoutubeでインドかアジアのどこかで荒治療の作業風景の動画をみた。

おそらく今の日本の整備士はこれほどの作業を依頼されることや整備経験はないのではないだろうかと思うくらいドラスティックだった。

一方、新型モデルを買うと、これほど使い続けることはできないだろう。部品保有期間8年だかそこらで修理を断る(場合がある)と逃げ口上で、衝撃に弱い樹脂パーツの多用の弊害(メーカーはそれが目論見だろうが)でとてもじゃないが持ちこたえて15年くらいかと思う。

今、我が家のエアコン霧が峰(※1)は21年目をめでたく迎え、戦友の洗濯機、日立ポケット洗科(※2)も健在だ。

我が家の家電は長命なほうだと思う。まだほかにもあるが書かない。しかし、こと世間様のミシンに関しては果たしてどうだろうか。

よく、長く使えるミシンはありますか?なんて、QAでみたら「長く」とはどれだけの期間かと思えば10年とかそこらへんであって、「今のミシンで50年とか100年使えるミシンはどれですか」なんていう質問は見ない。

20年もすれば買ったとき最新型ミシンでも飽きてくるからおのずと故障して手放すか、買い換える。

俺のもう一台、蛇の目825D型。1989年生。これはヤフーで格安ジャンクを修理したもの。返し縫ボタンのタクトスイッチ部品が故障していたためパーツショップで交換部品を買い、半田付けしてみごとよみがえった。部品代35円。パチパチ。やはり故障していたので事故物件だった。

世間では故障したから新しいの買い換えようとなる。

しかし、たった35円のパーツでも、修理見積りは足元を見られる。部品を仕入れる事務作業、手数料、作業工賃が乗っかる。35円のパーツが故障原因だとたどり着くには分解60分、修理、組み立て30分、コーヒータイム20分、クリーニングプラスアルファ、実際はそれ以上の準備や片付けなどがあり、手間と時間、技能が要求されるしで修理業として商売するとなると経費と利益ともろもろが必要だ。依頼者である素人に専門工程の説明や、素人に分かりやすく専門用語を使わず簡単に分かりやすく説明するのも目に見えないサービスの一つだろう。

素人相手にわかりやすく説明して修理完了とおもったら、素人の客が、修理完了したミシンにケチをつけるなんてことはあるあるだ。

良かれとおもってやった修理にケチつけられて、やる気もなえるし、業界を支えるミシンショップの経営者は高齢化と後継問題で廃業だ。ミシン販売修理などの看板だけのシャッター店はその遺跡だ。

こんな業界だからますます体力ある企業だけが残っていく仕組みが出来上がり、そんな企業だからますます残念な世界になる。もしかしてそんな世界を打開するヒントに長寿命化があるのではないかと、そんなことを考えた。

番外編:喫茶千松のマスターが作る、絶品カツカレー(平日800円、土曜日は600円!)はもう二度と口にすることが出来ない。

※1 空調機
※2 洗濯機







2018年10月13日土曜日

ミシンが売れない・・・売れて売れまくり品切れになる日

古いミシン。

「古い」という表現から受ける印象は個人差がある。

人によっては3年か5年?

10年前のモデル、とてもじゃないけど新しいなんていえない。

古いから買い換える、という物差しにも使われる、「古い」だが、レトロ、とかアンティークなんて言われることもあり、良くわからない。



時代はとにかく新技術、新素材、技術革新がめまぐるしく、いつまでも古い物の話をしていたら世間から見放されてしまう。

そう、「見放されてしまう」のだ。

俺にとっては最新コンピューターミシンだが、1990年、平成2年製で、到底世間では「最新」なんかじゃない。ジャノメ825D型。


さらに昭和36年製、足踏みミシンジャノメTA-761となると、業界関係者、ミシン製造メーカーや販売者から回りくどく嫌がられる。

まず、修理部品や補給部品、消耗品などについてわからないことだらけだ。

製造したであろう、ジャノメにアタッチメントの適合について問い合わせしたが「古いので現物確認できないのでわかりません」と親切に断られる。


また、あるネット販売店で尋ねた。補給品だろうか、押さえ調節ネジの在庫をたずねたときなど「古いミシンなのでないです」と即答されるのだ。尋ねただけなのでぴしゃりと断られたが、ある意味親切だ。古いんだから買い換えろよ~といいたいところをぐっと我慢してくれている。精神衛生上お互い良くないというサインだ。

古いミシンを所有してもメーカーや修理、小売販売店様などから相手にされない。

修理店でオーバーホールの「松」でお願いし、修理メカニックの店主とお付き合いするのであれば別だろうが、できることは自分でするからなんていうと相手の顔色が変わる。

だいたい、ヤフオクでべらぼうに格安で仕入れたミシンだ。経済活動にほとんど寄与していない。強いて寄与していると言えばヤフオク関係者だけだ。

ミシンに関することを調べたりネットで検索していると時々、「ヤフオクで買った中古ミシン」について批判的意見を眼にする。

修理は受け付けるが、規定料金の二倍請求されることなど普通で、修理自体を受け付けないところも多いようだし、自分の店で買ったお客、ミシンのみ対応するのが当たり前の世界のようでもある。よそ者はしっしっ、という按配だ。

まるで村社会の掟があるようで闇を垣間見る。うまく生きていくには、関係社会からは一歩引き下がってできるだけかかわらないようにすることが今のところ見出した答えだ。(反対の立場で見ると、オークション取引で買ったミシンユーザーのほうが闇なのかもしれない)

新しいミシンと古いミシンを区別するためのすみわけがわかりにくい。定義が存在しないので、例えば製造中止したあと部品保有期間7年を経過した時点で分けるとか、分類された状態などがあればわかりやすいのだが。”クラッシックミシン専門修理士”という資格創設して一切合財の古いミシンの相談・修理は「クラッシックミシン専門修理士のいるお店で」とかにすればいい。専門修理士にかかる費用が高いのでミシンを手放しましたぁ、となれば最新ミシン市場も潤う。




2018年10月6日土曜日

日本製 国内生産 私の作品

国内工場で作られた外国人労働者によるジーンズは「日本製」なのでしょうか?

結論は「日本製」です。そのように店頭販売されているでしょう。

ジーンズには多彩な資材が使われています。日本国内でその資材を作るすべての原材料を調達できません。

侍ジーンズの会社は、生地を作るための綿花を栽培してジーンズを縫製して製品にしているようですが、みんながみんなそんな原料からの国産にこだわることはできません。

あなたのジーンズに使われている縫い糸の原料は国内産でしょうか?または、ファスナーやボタン、リベットなどの金属は国内でまかなえるのでしょうか?

もしかすると輸入された原材料が含まれていると考えることもありえます。


私も日本人として、「日本製」の高品質、高機能な製品を目にして正直に嬉しいですし、誉れ高い気持ちもあり、自分が買うならまず「日本製」をと考えます。

しかし、原材料は輸入品を使ったり、工場労働者は日本人だけでなく外国人労働者や、日系人、その2世・3世、なんていう社会です。

日本人も活躍するけれど、外国人労働者、日系人労働者も同じように一つの製品作りに協力しています。

そんな「日本製品」を知り、一方で自分が作ったジーンズ、この製品は日本人の俺が日本国内の自宅で作った。
ファスナー、リベット、縫い糸は国産。でも原材料の綿花、ポリエステル、金属の元は外国製品や輸入品かも知れません。
自分で作ったジーンズを「製品」と言うのはおかしいんじゃないかと思い、言い換えると「作品」に近い。

製品と作品の意味も相当違いますね。






2018年10月5日金曜日

ボタンホールと閂止め

3本目。

今回は、ボタンホールと閂止めについて書く。

自分のためのジーンズを完成させた。

さすがに製作を三回繰り返すと、初めて作ったときには分からなかったことや、失敗していたと気づくことなど、プロならなにそれ、当たり前じゃん。とい言われそうなことがあった。

知らぬが仏、初心者の怖いもの知らずである。



家庭用ミシンでボタンホール機能を使い、1号、2号(前・前々モデルのこと)を作った。

といっても、実はボタンホール部分の重なった厚い生地では、俺の家庭用ミシンでは押さえ圧、ボタンホール押さえアタッチメントのバランスの問題だろうが、途中で動作停止したためきちんと縫い上げることができなかった。

結果、仕方なく手作業に切り替えてボタンホールの機能は果たせたが、見栄えが悪く、残念な印象だった。

閂止めにいたっては、もう残念を通り越して機能性を担保できないという代物に仕上がった。これも手作業で何とか残念な域を脱した。しかし、1号・2号の完成したときの達成感は乏しく、これでは売り物どころか自分で履くことすら覚悟と決意が必要だと感じた。

やはりハンドメイド、ホームメイドなどとカタカナ表記でごまかされてしまっているような、所詮DIY、趣味の領域だといわれても仕方がない。

俺としては遊びとして、よく言えば趣味として洋裁、ジーンズ作りを楽しんでいる。自分の作ったジーンズをはいて散歩して普段着として着ている。

しかし、個人的喜びとしては作業着としてはければいい、ぱっと見、ジーンズをはいているように見えたらいい、などというだけでは物足りない。何かが足りない。その要素とはなんだろうと考えていた。

再び、散歩してきちんと販売されているジーンズを店舗で商品の完成されたジーンズを眺め、構造や縫製の詳細を見、家に帰ってネットで調べたりして、自分の身の丈の範疇であるが調査したところ、決定的な違いがあった。それは以下の3点だ。

①チェーンステッチ
②ボタンホール
③閂止め

つまり、①は家庭用ミシンや職業用ミシンでは今ある機材ではできない。②、③は職業用・工業用ボタンホーラーアタッチメントを使えばできるらしいが、ないのでできないし、新たにそのアタッチメントを導入するのは今のところわけあって消極的だ。

まず、チェーンステッチ(二重環縫い)の専用ミシンだが、通常工業用で高価、重量重く、メンテナンスや維持費を考えると家庭に持ち込むのは今の俺には現実的な選択ではない。

東京重機のHZL550 flora なら家庭用ミシンでありながら二重環縫い機能を備えている。

以前所有していたのだがジーンズの折り重なる厚みをクリアできないパフォーマンスに不満で格安で手放した経緯がある。あの時、改造の工夫に知恵を絞ればデニムを縫う専用機に変身できたかもしれないと思うと少し心残りだ。



②、③もいろんな方法を考え、テストしてみたが段差や厚みの不陸などの素材側要因と、ミシンのメカ的要因もあり不確実な仕上がりとなることが分かり、家庭用ミシンでの3作目のボタンホールと閂止めは見送ることにした。

方針転換して、手縫いで行こう!

ミシンは早く同じように大量に作ることができるマシンであって、自分の手先があると気づいて針と糸だけで縫うことができると思った。

そもそも手縫いで服を作ることはミシンがなかった時代は当たり前だっただろうし、今でも手縫いで服を作る人も当たり前にいる。

youtubeで鳩目ボタンホールの縫い方を教わり、今回の3号の完成に至った。

チェーンステッチだって手縫いでやってやれないこともないが、ミシンを使いたいというのが本来なのでこれは今後の課題だ。


2018年10月4日木曜日

晴耕雨ミシン 自分だけのジーンズができた

季節柄、晴天も台風や雨もあり、めまぐるしく気圧の変化がある。落ち着くにはもうしばらくかかるだろうが、皆さんはいかがお過ごしだろうか。

私は、晴天には散歩し、雨の日は図書館読書かミシン、屋内作業だ。

ミシンは、さすがに一人で4台を扱うと整備に手間暇がかかる。わかってはいたが実際には保管場所も必要だし、こまめな清掃と注油も面倒に感じることがある。贅沢病かもしれない。
4台といっても、そのうち2台は同じ型のミシンで足踏みかモーターの違いだ。

足踏みミシンかモーター仕様のいずれかでもいいが、こいつは自分でオーバーホールしたので手放すにはまだ遊び足りない。

後の2台はコンピュータミシンとかがり縫いロックだ。

かがり縫いロックミシンはコンピュータミシンでもかがることができるから、究極不要だ。保管場所を考えると手放すのもやむなしな気分だ。

高機能家庭用ミシンがあればほとんど事足りる。

先日からジーンズを製作していたが、おおよそ出来上がった。

今回で3本目となる。前回、前々回の改善点を考えながら仕上げ、自己満足しているところだ。

なぜか世間では自分でジーンズを作るなどほとんど聞かない。もし、聞いたとしても情報も少なく、意見交換できそうな豊富な情報もない。

工業製品やプロとして活躍されているアパレルブランド、ブログなんかを見ると素人とは違って商売なので個人的に情報交換などは利害関係が生じるのでお互いに迷惑だろう。

無印やユニクロの商品を店頭で見て縫製を見た。量産と販売のための商品作りに徹底している。俺の作ろうとしているジーンズとは違うが、参考になることもあり、面白い。

メジャーどころでリーバイスやラングラーなんかも見た。さすが老舗メーカーだが、やはり量産品だと感じる。しかし購入すれば、間違いなく一定以上のクオリティを約束される。さすがだ。店頭では見なかったが一本3万円ほどもする高価格帯のものもあるようだ。

改めて、自作のジーンズの特徴は量産のプロダクト製品とは違いを痛感した。
素人のDIY洋裁と笑われてしまうだろうが、誰にも迷惑をかけたわけではないのでよしとしよう。

機能性はもちろんだが、堅牢性も忘れてはいけない。そして誰にもまねされることない、オリジナル品だ。