今日、ヤ〇ーオークションに出品した腕時計が思いのほか高値で落札された。
海外の空港で買ったSEIKO ダイバーズウオッチ200M。
キネテックという機構の時計で、故障してしまいメーカーに修理相談したが交換部品がないからとやんわり断られてしまったヤツ。しばらく引き出しにしまい込んで忘れていたところ、ミシンをオークションで売りさばいたのを契機にこの際だから処分品をかき集めてみようとしたら最初にこの時計が浮上した。
もうこの時計は売り払った。何気に記念の時計だったが、動かなくなったので、修理してくれるオーナーにかわいがってもらえたらいいのになぁ。部品どりでばらされる運命かも。 |
購入したときについてきたギャランティカードにFEB-2001とある。ずいぶん時間が経った。カードの日付を見て、期限切れ旧パスポートのスタンプを確認するとsingapoleとある。
俺は、当時行ったことのなかった国、シンガポールに初めて訪れる機会があった。
乗っていた船は売却されることになった。売却先のシンガポールまで航行して港について下船した。時間を見つけて市内観光して、他のクルーとはそれぞれの都合で別行動したが、帰りの飛行機は何人かのクルーと待ち合わせて同じ飛行機で帰国した。その待ち合わせの合間に空港内のショップでこのダイバーズウオッチを買った。
だんだん思い出してきた。
空港内の中国料理レストランは市内のどんなレストランよりも旨い店だった。
残念ながら、当時俺のグルメ情報は貧弱だった。シンガポール飯はこんなにもまずいのかと確信に変わる一歩手前だった。
入る店ことごとくうまいと言えない、残念な店をよくもこんな見事に引き当てるとは、俺は相当先行きが明るいと思えた。
あきらめの境地に打ちひしがれていた。ところが、まるで暗闇を明かりもなく歩いていたさ中、たどり着いた空港内で大逆転!ときたので記憶に刻まれたのだ。
前日、気の置けない仲間数人連れだって酒とお姉ちゃんのいる店に行った。当時、色んな国に行って確認した限り、シンガポールのモデル級のクオリティはそうそうお目にかかれないと同行した連中は偉そうに口をそろえて評価した。偉くはない俺でもそう思った。偉くはないというのは、当時2ndコックだったが、実質3rdコックよりも俺の方が年下だったので司厨長からは命令され、馬車馬のように働く。ろくに働かない、俺よりも格下の3rdからも偉そうな口をききやがる。だが俺よりも年上なので露骨に失礼な態度はいけない。司厨長が絶対許さない。船乗り同士、仲間割れは許されない。末端まで調和が求められる。どこの世界でも同じ、いい社会勉強だった。
酷使したつもりはないのだが、しばらくして故障した。セイコーに持ち込んで無償修理してもらったが、数年後再びトラブル発生。今度は交換部品がないという結論。どうしようか考えているうちに存在を忘れ引き出しの奥に追いやられた。
かわいそうなことをしたが、今度の引き取り手はこいつの瑕疵を承知の上で引き取ってくれる。メーカー修理は部品保有や修理マニュアルなどのことから引き受ける枠は狭いように感じるが、あくまで供給元のメーカー様なので、従うまで。今時、そんなメーカーのおこぼれを拾うのが民間メンテナンス。
ミシンの修理も部品がないといわれてしまい、買い替えを促される。機械もののメンテナンスの対応は似たようなところがある。
ろくにつけもしない腕時計を複数本所有してしまっていることから、時計だけでなくいらないものを少しずつ処分して身軽になろうと考えているようないないような。
世間でいうところの「まあ高級」から「安物」までの時計がある。手放すことで何かから解放されるような。
で、ふと思った。「高級」「安物」とは何を差してそういうのだろうか。
世間的にはグランドセイコーは「まあまあ高級腕時計」、数千円のGショックは「まあまあ安物腕時計」と例えてもいいのだろう。しかし、高額か安価かというだけで良しあしをはかるのはつまらない。
前にも同じスピードモデルで電池は10年くらい故障せず。しかし、電池の寿命が来て、とうとう表示しなくなった。デザインがいい、エポックメイキングな時計だった。今度は奮発してソーラー充電のタイプにした。安いけれどいい時計なのでまた同じようなデザインを選んだ。
最後まで読んでくれてありがとう。
おわり
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