2019年3月28日木曜日

蛇の目TA-J761 足踏みミシン モーターの取り付け

昔々、母親のジャノメでミシンを覚え、忘れかけたころにヤフオクでブラザーコンパルデラックスを修理したことがきっかけで再びミシンに興味を持った。

ミシンのブランクは30年近くあったが、修理したコンパルデラックスを使えるまでにそれほど時間はかからなかった。

ブラザーコンパルデラックスをきっかけにミシンを何台かヤフオクで落札しては修理し、修理したら出品してまた違うミシンを落札して・・・と何台かのミシンを使い、そうしているうちにとうとう足踏みミシンを使うようになった。

何台か違うミシンを修理して使ったけれど、どのミシンも良いミシンで、コンピューターミシンなどはいまでもボタンホールなどに重宝している。

そして、とうとう足踏みミシンを落札した。それまで見てきた景色が変わった。

家庭用ミシンには縫える厚さに物理的限界があって、ちょっと欲を出して厚めの生地や折り重なりがあったりするとミシンは悲鳴をあげた。

ジグザグを縫えることや、文字模様が選択できて種類も豊富。普段使いには申し分ないのだが、なにか味気ないと思っていた。

ミシンに飽きてきたのかもしれないと思いつつも、足踏みミシンの写真を見てしまったのが最後、所有したい一心でまっしぐら。



ジャノメKTS550は、センサークラフト7000番シリーズと同型機であり、製造からはおよそ30年近く経とうかという(古い)ミシンだが、今でもヤフオクでも人気機種の一台であるようだ。

ところどころトルクスネジを使った、設計がしっかりしていてしょうもない故障が少ないいいミシンだ。

先日、ジャノメ社の人に聞いたら当時のセンサークラフトのミシンのレベルは最高ですよと。あのレベルのミシンは今作れませんね。と言っていた。違うレベルのいいミシンを作っているわけで、当時の開発者に謙遜しているとも取れる意見だろうと思いつつ、実際使っていて、とても使いやすいミシンであり信用できるミシンだと感じる。

足踏みミシンを入手するにあたってジャノメ、ブラザー、JUKI、シンガーなどのメーカーを候補に考えたが、家庭用ミシンでジャノメKTS550の完成度の高さに感動したこともありメーカーはジャノメに決めた。

そんなジャノメミシンの信頼感をイメージして昔のモデル、しかも足踏みで職業用
タイプを探し始めた。

どうやら761、763、766と三台のモデルがあって、766は2000年ごろまで販売されていたそうな。

この3モデルの内、当初763を探した。
763のデザインが一風変わった印象に感じたのだが、工業用で764、765とあり763は職業用としての設計だった。この、職業用と工業用の違いについて良くわからなかったが蛇の目HPではいずれもカタログをダウンロードできるので違いを知ることができた。

当時あいにく出物が見当たらなかったので、仕方なく761の黒いやつに方向転換して目星をつけ、勢いつけてオークションで落札入手した。

黒の躯体に「JANOME」とデカールされた直線的な印象だがところどころの曲線やアールがその直線イメージを殺さず引き立てているように思う。

当時の職業用TA規格、蛇の目独自のデザイン、日本人の手による当時として最高水準の技術だったはずだ。

次に感じたのは絶対的な堅牢性だ。
今のミシンはフレームに樹脂カバーされた軽量化を図った緻密な設計だが、761の本体はおそらくほぼ100%が金属でできている。

今のミシンは精密機器とか、コンピューターミシンをあらわしているが、足踏みミシンはメカ(機械)という表現がそのものずばりといえる。

761は金属素材だけの構造で設計は機械工学が基礎となっていて自転車や自動巻き腕時計、動力を電気エネルギーなどに頼らない足踏み機械だけの基本、本質が息づいているといえる。


もともとモーターをつけるようにブラケット、台などを装備しているメーカーや機種もあるようだが761にはない。

入手当初、YDKモーターを換装して電動化してみたが問題点を感じた。

一つはプーリー側のベルト溝とモータープーリーのベルト溝が本体正面から見てツライチにならなければならないが、買ったモーターについていた汎用タイプのブラケットだけではツライチにはならないしポン付けできない。20ミリほどのスペーサーのようなものを用意する必要がある。

これはホームセンターで基礎パッキン樹脂を買い、グラインダーで側面に合うよう曲面研磨加工した。

もう一つは、本体にモーターをつけるためにブラケットを介してボルトで固定することになるが、躯体に穴を開け、ネジきりするか迷った。ドリルで本体に穴を開けるのにはためらわれた。

右側面、プーリー下に2つ穴がある。上の穴を使うのは返し縫レバー、プーリー回転の関係などから難しいので下にある穴を使えないかと考えた。

穴自体はボルトを通せるくらいのいい感じだが、ナットを締める躯体裏側の構造が凸凹でナットを締めると凸凹の角の一部に負荷をかけることになるり、躯体自体をいためたり損傷してしまう恐れを回避する工夫が必要だった。これは、いつものネジ屋で「台付きナット」というやつを買って締めてみるとちょうど良い加減になった。

こうしてモーターコントロールでの足踏みミシン操作が万全にできるようになった。


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