2018年7月7日土曜日

ジーンズを作るときの「ファスナー」

ジーンズを作るためにファスナーを探した。

ボタンフライという方法もあったが、フライを作るためのノウハウがまだないのでファスナーのほうが手っ取り早い。というか、作るのに縫うだけだからボタンフライではボタンホールやボタンが必要になり手間が増える。

手芸店を巡った。

ユザワヤ、ABCクラフトや手芸店、資材店、生地屋など見て回ったが希望する長さがない。店によっては「長さ調節いたします」というところもあるが、どうして一センチ刻みで販売されていないのか考えてみた。

一センチ刻みで販売できても、膨大な種類があって、到底在庫管理できるようなボリュームではないようだ。

ファスナーは国際的ブランドの「YKK」だろう。

YKKのホームページから見てみると、相当奥が深い。興味ある方は是非ホームページを訪れて欲しい。

YKK株式会社ファスニング事業本部ジャパンカンパニー
https://www.ykkfastening.com/japan/

ボリュームも相当だが、販売形態、流通経路なども不明瞭だ。問い合わせてみた。

個人で一本から受注生産らしい。一本から可能なのだ。

注文を受け付けているところは国内に数箇所しかなく、そこで一手に引き受けているそうだ。だから小売店の店頭ではバリエーションに限りがあったのだ。

ファスナーにはパーツごとのそれぞれの特色があるようで、大まかにはスライダーというつまみとかみ合う歯が金属製かビスロンとか樹脂とかあり、それらもそれぞれの種類に別れている。

長さもあるし、横についている生地、テープ部分といわれているようだ。これも仕様があり、色見本によると数十色以上取り揃えられている。しかも、一本から受注生産だから仮に一本の注文するとその一本のためにテープの色を染めるらしい。

テープ部分は色を指定すると指定した色のテープを使うのではなく、そのたびに染めるのだ。すばらしい!

さまざまなパーツから成り立つファスナーを注文すると俺だけのファスナーを手に入れることができた。

完成まではおよそ一ヶ月かかるといわれた。(実際は3週間程度だった)



何百本、何千本と製造されている工場のなかで、俺が注文した一本(実際は4本注文したが)が、業者が依頼した製品に混ざってその沢山の製品に使用されるためのファスナーのなかに俺のファスナーがまぎれて生産される。

考えるとだんだん面白くなった。世間のユニクロや専門プロダクトからの受注されたファスナーの中で、俺のファスナーがまぎれているのだ。しかもアパレルメーカーからの注文は大量だろうが、製造ラインの流れの隙間で、俺だけ指定した一色のオリジナルを製造してくれるわけだ。

おそらく、YKKは俺のような個人客など歓迎しないだろうが、無碍にもしないところがありがたい。てっきりアパレルメーカーだけの聖域なのかとおもっていたが、個人の注文に対応している。(今後、個人の依頼が増えたら対応が変わるかもしれないが)

そして、俺だけのためのオリジナルファスナーなので、完全無欠のデザインを実現できるアイテムなのだ。たかがファスナーと思う人にはそれまでだし、いまどきファスナーなんて100均ショップで売られている。これだって立派なもんだが、今回は違う視点からのファスナーを紹介した。




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