2019年6月28日金曜日

ジャノメ 職業用ミシン  令和だが昭和

ジャノメには職業用ミシンがあり、いくつかの機種が複数存在する。

今日はいわゆる足踏み式の職業用について。

以前、図書館で借りて読んだジャノメ史には職業用ミシンについての詳細は見当たらなかったが、実際ジャノメには足踏みミシンの職業用ミシンが存在する。知っている人は知っている。(あたりまえか)


歴史的には761から763、766と三世代の足踏み式職業用ミシンがある。
モデルナンバーが飛び石になっている764と765はそれぞれ工業用としてあてられているみたいだ。しかし、762はカタログなど探したが見当たらなかった。

761は「JANOME」デカールの書体にゴシック体と明朝体のモデルがあり、俺のは明朝だが、取扱説明書にはゴシック体のモデルの写真(絵)が掲載されており、マイナーチェンジしたのか、どちらが前期でどちらかが後期モデルなのだろうか、または別物なのか、わからない。


766は2000年10月のカタログが閲覧できることから想像すると、20年前までは販売されていて、のち数年は在庫を販売していたと推察している。まだ最近の感覚に感じるしかも122000円。安い。もし今売られていたら即買いだ。

JUKI、ブラザーはこのころすでに足踏み式は製造販売されておらず、ジャノメが唯一の牙城だった。最後までジャノメは足踏み式にこだわって、しかも職業用を製造した。手堅いメーカーだと感じた。

問題はユーザーで、足踏みミシンを使ってきた時代の熱烈なユーザーががいなくなった。

ここで一曲、玉置浩二の名曲「メロディー」(youtubeにジャンプします↓)をお届けしたい。

https://www.youtube.com/watch?v=_COv6lAnREU&list=RD_COv6lAnREU&start_radio=1


この当時の背広のシルエットはみんなこんくらいダボついてた。

玉置浩二という歌手は、個人的には足踏みミシンが活躍していたような昭和の時代や情景を歌で聴かせることの出来る数少ない歌手だと思って聞いた。


そう、スペックだ。

家庭用<職業用<工業用となるが、職業用には「家庭用ミシン」以上のものを期待されるわけで、実際に足踏み式ではあるが職業用を使ってみて、いくつかの明らかなる違いを確認した。

①スピード
②貫通力
③直進のみ故の剛性



①のスピードについては、766は毎分、1800回転だそう。

761だとだいたいベルト車が一回転すると針は8針進むから、1分間で225回踏み板を踏む。一秒間で3・75回となる。ちょっとしんどいが、もしかしてプーリーの径が761よりも小さいのかもしれない。モーターなら楽勝だ。

最新職業用にはボールベアリングが採用され高速回転を実現しているがそれでも毎分1600回転だ。766はボールベアリングなしに1800回転を出しているところからすると、今にない相当の高性能だったと思われる。摩擦による焼付けにも耐用する構造だったのだろうか。

761を最速で漕いでも一分間に225回は相当しんどいと思う。やってやれなくもないだろうか、しかしスペック値は761は最速約1500回転だ。計算上は187・5回だ。これなら可能なのではないかと思う。だが、まさかこの値の速度を連続して数分間続けるような使い方はしないし、実際のところはあくまでも瞬間(数秒間)の最大値と言うことだろうと思う。

取説から見ると763は特筆される。
最速でいうと、足踏みとモーター式(電動式)で差がある。足踏み式が1500回転に対し、モーター式(電動式)は2000回転となっている。針棒ストローク、押さえの高さはいずれも同じ値のようだから基本的な構造はモーターがあるかないかの違いだけのように見える。

推測を含めて書いたが、そもそも1500回転と1800回転、2000回転の値を攻めて作業するようなヘビーな作業や使い方ではなく、あくまでもそんなフィーリングだと思っている。

②の貫通力については、針棒ストローク(最上点から最下点の距離)があり、構造はオール金属のボディーとギアなど負荷がかかる部品すべてが頑丈なため太い針を使用できるように設計されている点などからも家庭用ミシンの限界と比較しても明から違いを実感する。

③は、ジグザグが出来る家庭用ミシンはどうしても針棒を左右に振るための構造上、上下に加え左右の運動が加わることで複雑な要素がある。一方、職業用は針棒に限っては上下運動だけの単純な構造から直進性能に有利だといえる。この点は工業用とまでは行かないにしても職業用としての特殊性があって生き残っている。ある種マーケットの要請があると思う。

その他、送り歯、フトコロやサイズ、押さえの力なども関連しあいバランスを考慮された構造になっている。

飛躍するが、当時のミシンは完成形を成し遂げたといっていいほどだ。そんなミシンの時代だったと思う。

いよいよ令和になり、みんなが度肝を抜くような、あっと驚くミシンが誕生して欲しい。













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