2018年8月9日木曜日

ジャノメ 職業用ミシン  プロローグ

その一線を超えたとき、新しい世界が俺を呼んでいる。

景色が違うのだ。と言うよりも、ただ、より高性能な機械を触りたいだけかもしれない。

ここで俺は、懐古する。

1950年代から60年代にかけてのミシンについて異常に興味をそそられた。

今回、世間ではレトロとか、アンティークとかいういわゆる「古いミシン」を手に入れた。

ジャノメ 職業用ミシン 761型だ。

取扱説明書は現在のジャノメホームページでダウンロードできる。とても親切な心意気のある会社といわざるを得ない。他の会社がどうかと言う比較ではなく、少なくともジャノメ社について純粋に考えてみた。

ミシンは売れてナンボの世界で、各家庭に一台、二台とミシンが普及することが何よりだが、現代社会では服作りやソーイングなどと趣味・余暇の範疇である限り個人がミシンにかけられる金は限られるだろう。

今、ミシン製造メーカーは厳しい時代にしのぎを削っているに違いない。ご苦労なことだ。

しかし、おかげさまで楽しくすばらしいソーイングライフが送れており、毎日が充実し、人生暇つぶしのクオリティが高まり、生きる喜びにつながっていることをミシン製造関係者の皆様に伝えておかなければいけないだろう。単なるありがとうと言う感謝の言葉以上のものを実感している。

ぼんやりした月並みな言い方になるかもしれないが、ミシン製造に携わる仕事や人々の偉業が今後の歴史を作り、今知りえるその歴史が先人の指先からつむぎだされたものである事実は変えようがなく、未来を切り開いているといえる。

たぶん、今回所有にいたったミシンは1950年代の戦後という時代背景と、当時活躍された第一線のエンジニアの先輩諸兄は戦争体験者か、戦争を知っている世代。もうまもなく90歳を迎えるか、越えていらっしゃるだろう。

間違いなく歴史が証明したミシン開発の偉業だと敬服せずにはいられない。きっと彼ら個人は歴史に名を刻むことなくミシンというプロダクト製品に情熱と命すべてをかけ、そのミシンが今もフル回転で俺のジーンズを縫うことだろう。

ジャノメさんには悪いが、現役マシンを紹介したいところだが、懐具合がしょぼいので新品が買えない。情けない限りだが、せめて静かにジャノメ史に刻まれたマシンだという事実を伝えたいと思った。
今回入手したミシンについては今後も紹介したい。



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