2018年6月18日月曜日

三つの真実に勝る、たった一つのきれいな嘘

テレビを見る機会が少ない。
家にいても見ない。
だからテレビを買わない。

私の家にはテレビがない。

NHKの集金人が来ることもない。きても契約できない。しない。

テレビから得られる情報が案外いい加減で、ニュースなど見ると本当かと疑ってしまうことがよくある。

ネットでも信用できないものが多いが、テレビは映像という視覚で訴えてくるのでインパクトが大きい。

以前、ワイドショーの取材を見学する機会があった。
リポーターがインタビューしていたのを間近で見て、後日実際放送されたVTRを見て驚いた。

見学したあの時、リポーターが質問し、インタビューを受けていた人は頓珍漢な回答をしていた。年寄りで何を言っているのか会話がおかしかった。

しかし、その高齢者のつじつまの合わない、頓珍漢な答えをうまく編集して、カットされてつなぎ合わせている。

その出来栄えが見事で、自然に編集されたインタビュー風景としてワイドショーの番組が構成され仕上がっていた。

取材しているそばで感じた印象が、編集された映像によってこんなにも湾曲されるのかと愕然とした。

ほんの一例に過ぎないが、テレビの情報の相当多くがこんな編集技術で放送されるもののイメージを作り上げているのだと恐ろしくなったのを覚えている。はっきりいってインチキだと感じた。(20年以上も前の話なので今のテレビとは違うと思うけれど)

普通にテレビを見て、まさか自分がその情報の嘘に毒されているなんて感じないだろう。

でもテレビの編集された映像を見せられ、社会の本質がテレビの編集技術によって、実際をゆがめている、かも知れない。これには深い闇があるようで恐ろしい。

全部がそうじゃないから厄介だ。100%の嘘は誰でも見抜けると思うが、多くの本当の情報の中にほんの少しの嘘を混ぜると、まるで全部が本当だと思い込んでしまう、簡単に言うとそんな手法だ。

あれを思い出した。「三つの真実に勝る、たった一つのきれいな嘘」この表現、開高健がよく使ってた。開高健はきれいな「嘘」を肯定したようにも思える内容だったと感じたが、ずいぶん前に読んだ記憶なので、真実だけでなく、嘘もなかなかやるぜ、的な意味だったのか、忘れた。

彼はノンフィクションも書いたが、小説家だ。茅ヶ崎の記念館に赴いたこともある。旧邸を改築した、いいところだった。






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