2018年9月27日木曜日

秋冬 次の ジーンズ作り

いつの間にか彼岸も過ぎて、あれだけ毎日暑かったのが思い出せないくらい涼しい。

熱中症だとかいうやつ、気象情報で聞かない日はなかった。

世間では毎日のように悲惨なニュースを耳にするし、ネットニュースでも誰かがいつも頭を下げ、謝っている。

誰に対して謝っているのかわからないが、誰かがいつも誰かに謝っている。よほど謝るシーンをみんなは喜んでみているのだろう。

誰かが謝っているのをみて毎日の仕事や自分のイライラをすっきりさせているのだろうか。


はけなくなったジーンズ、また帽子を作ろうと捨てずにとっておいた。捨てるつもりの生地だから失敗しても懐は痛まない。思い切って好きなように作ろうと取り掛かり、できた。

今回は、4作目なので前回までの気になった点を改良。

サイズはもちろんだが、つばの幅や角度、裏地に一工夫。あとDカンをつけた。

コンピューターミシンで名前を文字縫い。

やはりぴったりサイズで出来上がった。着古したジーンズ生地なので汚れても洗えるし、洗い縮みもないと思う。(縫い縮みは相当あったようだ。)



そうだ、秋冬用の帽子ができたが、続けて秋冬用のジーンズを作ろう。

今年の4月、最初に作ったジーンズはそこそこ履きこなれ、シングルステッチながらアタリも浮かんできてなんとなくいい感じになってきた。

アタリは二重環縫い(チェーンステッチミシン)だからできると思っていたが、家庭用ミシンの直線縫い、シングルステッチであっても出るみたいだ。

今度はステッチの色を変え、明るめのグレー系を採用する。
生地は前回買置きしていた濃紺デニム、13.5ozだ。洗うと縮む暴れ馬だ。

今回は、まとめるとこんなおっさん仕様だ。
① 生地:13.5oz岡山赤耳、濃紺・少し青み。
② 赤耳:脇裏、コインポケット口裏、見返し、持ち出し、ベルトループ裏。
③ ステッチ糸:kingspan704#20&#30、他、端かがりは余り糸。
④ 後ろポケットは閂と隠しリベット。
⑤ タグはいつもの俺仕様。
⑥ 仕様ファスナーは特注したやつの在庫。
⑦ ウエストベルト裏地にタグとネーム文字縫い。
⑧ 左ポケット裏にネーム文字縫いとシリアルNo.他。
⑨ ベルトループ5本。内、一本にDカン。
⑩ 皮タグ、油性マジックでモデル名とシリアルNo.

使用機材
蛇の目825D
TA-J761
Riccar mightylock RL-310

ボタンホールは思案中。手縫いか家庭用ミシンのボタンホーラー、またはオーバーホールして直ればOLDボタン穴かがり器。

今回初挑戦の仕様は③、④、⑨。デザインに懲りすぎるとヘンテコになってもいかんので、オーソドックスなモデルを目指そうと思う。まだ冒険はできない。そして、再びドクター金子のご本を教科書にさせていただく。(毎度お世話になっているな)









2018年9月7日金曜日

階段の踊り場

日本でのミシンの歴史は18世紀末ごろヨーロッパ、アメリカから入ってきたみたいで、ドイツ製ミシンを下取りしてシンガーを売り込み、下取りしたミシンは再び使えないくらいに壊してシンガーミシンを普及させたのが19世紀初頭という。

アメリカやヨーロッパで設計開発されて、アチャラの規格だったのを戦後、国内統一規格JISで防衛しながら国内メーカーを育成したことが功を奏して今のジャノメやブラザー、JUKIなんかが生き残っている。

図書館で借りた、ジャノメ史にはジャノメの創業当時のことや戦後の社内抗争(だろう)も記録され、ミシンにかかわる歴史に興味をそそられた。

最近特に注目しているのは、そんな歴史から見える物づくりや経過だ。

断片的ではあるが、俺の子供時分、リッカーがそこかしこと看板をかけ、ミシンといえばリッカーだった。母親のミシンはジャノメだが、ブラザー、東京重機なんかもあったろうが、俺の散歩道にいつもある看板は「リッカー」だった。

リッカーはセンセーショナルに倒産した。
自分としては三光汽船と並ぶ、大事件だった。

その後、バブル期があり、その崩壊が訪れる。(雑な経過だが俺の記憶だ)

ミシンが売れた時代から、売れなくなった時代。
(言い換えると、もっと魅力あるほかの品物があふれ出した時代)

歴史として、そのころからミシンのおとり販売なるものが現れたのか。関西ミシンセンターとか、ソーイングハウスなどという企業名が出てくる。しかも、残党がしたたかに地下活動しているとかいないとか。

もともと、ミシンは婦人の使用率が高く、婦人は基本的にメカに疎い。メカであるミシンを販売・修理するのはどちらかといえば男だから、構造的にはおとり販売とか、詐欺まがいのミシン販売契約を仕掛けてくるのは男であって、その犠牲者の大半は婦人だったのだろう。

「ミシンの迷信」というサイトがいまでもそんな事柄について記録されているのも面白いもんだ。

2018年現在では、ミシンは以前ほど更に売れない時代だと言われている。(らしい)

家庭用ミシンの有名三大メーカーのフラッグシップモデルなら20万から30万くらいか。

ヨドバシカメラで売れ筋、3万から4万くらい。

世間にミシン販売店の看板が影を潜め、いわゆる高価格帯の2、30万のものは売れない。ましてやミ迷信に書かれている詐欺まがいの仕事はいまどき後ろ指差されるし露骨な不正販売はできにくくなっている。

落ち着くところはヨドバシカメラなんかの家電量販店とネット販売、ミシン専門店、手芸店なんかとでそれぞれの性質を知った上で買われていく。

俺はヤフーオークションで中古ジャンクを落札し、故障しているとか、何らかの瑕疵を承知で取引するが、取引自体も遊びだからいい。

真剣にミシンを使いたくてそこそこの価格で落札して届いた品物は期待を裏切り動かない、だまされた!なんて普通の話。だますほうが悪いのだが、ネットなどの個人間取引は
そんなことがある。

物価から見ると、大卒初任給で、昭和の戦後にミシンは3倍とか4倍だったから、今のミシンは価格だけ見ると落ち着いたというべきか。

電子ミシンに始まり、コンピューターミシンに寄り道して、今は足踏みミシンにモーターを搭載している。

つまり、世間の産業の発展とは逆の方向に向かいつつあるようで自分としては最先端の家庭用ミシンを所有したいという気持ちとは裏腹で、洋裁をすることと、その道具であるミシンの整備・保全をすることが最近のたどり着いた「踊り場」といったところである。

向かうべきところがまだわからない。